家まもり

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〜コラム〜

環境にやさしい天然無垢材ナラとオークの違い

2022年06月22日

日本の木造建築は、古くから無垢の木材を用いて建築が行われてきました。

一昔前から、木材の加工技術の向上により、接着剤で木材同士をつなぎ合わせた集成材を中心に木造住宅が建てられています。

しかし、接着剤に含有される化学物質が原因となりシックハウス症候群が誘発されることが多くなり問題視されるようになりました。

このことから現代では、住人にも環境にもやさしい無垢材が注目されています。

今回はそんな無垢材の中でも人気なナラについて紹介していこうと思います。

ナラとは

ナラ(楢)ミズナラ(水楢): ブナ科コナラ属

学名Quercus crispula

「ナラ」とは、日本では古くから木造建築で使用されてきた、品と重厚感のある木材です。

日本ではナラというと主に国産、ロシア産のミズナラから採れた木材をナラ材と呼びます。

寒いロシアで育ったナラは目が詰まっていて良質な木材となります。

一方、ヨーロッパ等で採れるナラの仲間にオーク材がありますが、ナラとオークは見た目はほとんど変わりません。

しかし、細かく見ると少し違います。

先ほども述べたように、ロシアのほうが厳しい環境で育っている分目が細かくなりナラに比べるとオークは目が少し粗くなります(個体差、地域によって違う)

特徴

落葉広葉樹であり、高い強度と耐水性を評価されています。用途としては、主に家具、床材、ウィスキーの樽、化粧合板として使用されます。

また、ナラは木目(虎斑)がきれいなことも知られています。

美しい木目

板目

丸太の中心部を通らずに切断したときにできる木目のことです。山形であったり、さまざまな曲線の木目になります。
1本の木から切り出せる量が多いので、価格は安いです。

柾目

丸太の中心付近を切り出したときにできる木目のことです。直線的な美しい木目が特徴的です。
ただ、柾目の場合は切り出せる位置が決まっているので量産することができず、価格は高くなります。

虎斑

柾目を切り出す際、木目に虎の毛のような美しい模様が現れることがあります。なかなか手に入れることができないため、虎斑は非常に高価です。

特性

耐久性が高い、(硬い、長持ち、耐水性)

広葉樹として知られているナラですが、広葉樹の特徴通り重厚で硬く、密度も高いため耐久性が高く床材として適している素材です。

また、耐水性も高く、耐久性の高さはもちろん木材の表面に傷がつきにくいことも床材に適しているといえます。

耐水性が高いことからナラ等はウィスキーを貯蔵する樽の材料として使われています。

樽を作るために使われるナラですが、鉄は10~30年しか持ちませんが、ナラは10~100年持つといわれています。

調湿作用がある収縮が少ない

調湿作用のアルバイト無垢材は、湿度によって伸び縮みします。

この収縮の幅が広ければ反りや変形などを起こしやすいでしょう。

しかし、ナラ材の場合はその他の木材に比べると収縮する幅が少ない為割れや反りなど木材が狂うリスクが低い事が言えます。

デメリット

良質なナラは入手困難

広葉樹であるナラは幹が直線でなく良質な木材を確保しにくい。

ナラの最大の欠点は腐朽菌に犯され赤茶色に変色することです。

立木状態で大きな木ほど変色菌犯されやすく、白色に輝いて見える健全な良材は、非常に少なく貴重です。

また、日本の木材業界ではロシアのナラ材の評価が高い。

そのためロシア産のナラ材が多く使われてきました。

しかし、関税が高くなったり、ワシントン条約の認定を受けたりとロシアがナラやタモの輸出を制限するようになりました。

その為、日本国内でナラ材の供給量が少なくなり価格が高騰しています。

手間がかかる

これはナラ材というより、主に無垢材に言えることなのですが、無垢材はメンテナンスや手入れが必要になってきます。

専用のオイルや塗布や水拭きなど、床材として使用するのであれば、床全体に手入れを行う必要があるため、他と比べると手間がかかってしまいます。

無垢だから割れや反のリスクがある

無垢材は、気温や湿度によっては伸縮を繰り返し、やがて割れや反りといった変形が起こる可能性があります。

その中でもナラは伸縮の割合が少ない木材になりますが、やはり伸縮は行うため、割れや反りのリスクがあると言えます。

まとめ

一般的に、無垢材と言えばメンテナンスなどがあり取り扱いが難しく、繊細なイメージがありますが、ナラは無垢材でありながらも、優れた耐久性と高い耐水性を持ったタフな素材です。

また、木材の収縮が少ないため割れ、反り、と言った狂いが少ないため家具などの素材としても適していると言えるでしょう。

以上のことから「ナラ」は木造建築の床材や家具等で使われているのでしょう。

参考文献:木材大事典200(誠文堂新光社)、日本の原点シリーズ 木の文化(新建新聞社)

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