シロアリ対策でホウ酸って実際どんなもの?と思っている方。
ホウ酸なんて言葉聞いたこともないという方もいるのではないでしょうか?
ここでホウ酸について学び、家まもりに役立ててみましょう。
シロアリとは
まずは、害虫であるシロアリについて知っておきましょう。
建築物などを加害するシロアリは世界中に生息している2260種のうち、53種にすぎず、多くのシロアリは森林地帯に生息し、枯れた木材や落ち葉を食物とし、物質循環に大きな役割を果たしています。特に熱帯地方では水分や通気など土壌条件の改良に非常に重要な働きをしており、地球環境という視点にたてばなくてはならない益虫で、生物多様化からの観点からなのです。
シロアリは目が退化しているため匂いによって餌となる木材を見つけます。一般的にシロアリは松を好み、桧を嫌いますが、これは木材に含まれている微量の油性成分の匂いのためで、腐り始めた木材からは、シロアリが特に好む誘引物質ができます。
白アリは土の中などに棲み家(コロニー)を作り、数万から数百万のファミリーで暮らしており、 コロニーと建物の土台や柱などを行き来して、 木の柔らかい部分を食害していき、表面を残して食べ進んでいくため、発見されにくいのが被害を大きくする要因のひとつです。
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ホウ酸は“天然物 ”
ホウ素は原子番号5の元素で、天然には酸素と結合したホウ酸塩として存在します。
ホウ素は、私たちの健康にとっても重要で、成人は水や食事から一日1~3mgのホウ素を摂取しています。ホウ素は代謝や骨の健康、脳の機能への役割が確認されており、最近では、ホウ素不足を補うためのサプルメントも販売されています。
また、ホウ酸は米・カルフォルニア州や西トルコの鉱脈で採掘される「ホウ酸塩鉱物」を精製して作られます。
鉱脈のほかにも、海水、淡水、岩石、全ての植物、土壌など私たちの周囲や自然のいたるところに存在する“天然物”です。
植物には欠かせない微量元素として、成長を促進する反面、制御することもできる、エネルギー代謝を調節するのに効果的な保存剤で、細胞を殺さず成長を停止させる静生物剤です。天然のホウ素化合物は、菌類、藻類、バクテリアや、ゴキブリ、甲虫、アリ、スズメバチ、ノミ、シロアリ、ハエ、ガ、などの昆虫に対し効果的に作用されます。
ホウ酸塩の木材保存に適する理由
生物は、細胞内で栄養分を燃やしてエネルギーに変えています。これを代謝といいます。細胞中のホウ酸濃度が高まると、代謝反応がストップし、生物は餓死することになります。 しかし哺乳動物では、血液に溶けた過剰のホウ酸塩は、腎臓の働きで体外へ排出されます。このために哺乳動物に対するホウ酸塩の急性毒性は微弱で、ホウ酸塩は人やペットには安全で、木材劣化生物には厳しい理想的な木材保存剤といえます。
ホウ酸塩を木材保存剤として利用するには、木材にホウ酸塩水溶液を含浸させます。シロアリや食材甲虫がこの木材を摂食すると、細胞中のホウ酸濃度が高まり死ぬことになります。又、食材甲虫がホウ酸塩処理した木材中に産み付けた卵は、孵化率が低下します。腐朽菌が木材に侵入すると、ホウ酸塩は細胞膜を通して拡散し、代謝阻害を引き起こします。
(参考文献:エコ建材ショップ/古民家を守る会 http://kominka.yanoss.jp/eco/)
最後に
一戸建ての家をこれから建てる人、現在住んでいる人も、家を守り永く住んでいくためにはメンテナンスがとても重要になります。
今回勉強したシロアリ対策のホウ酸は、家にも人にも優しく、木材を劣化させようとする虫たちには厳しい素材であることを理解して頂いたと思いますので、ぜひ実践してみてほしいです。
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